きみに想う 〜赤の民族〜
この国には赤い髪は存在しない

赤い髪は古き時代から神に近い存在として

知られる民族である

タヤル族のみ

一説には王族よりも古い歴史があり

魔力も未知な部分があるとされているが

国民はそのことを知らない者が

ほとんどであり

民族は自分たちの種族でしか住まない

その民族を象徴する赤い髪を持つ雫

日の光を浴び輝く赤の色を見た海斗

「綺麗だね」

そう呟き、長い髪を一房掴むと

軽くキスをした

「なっ…」

海斗の行動が恥ずかしくて

距離を取ろうとすると

掴まれたままの髪のせいで離れられない

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