きみに想う 〜赤の民族〜
カツカツと靴の音が広い部屋に響く

黒い髪に鋭い目つき

すらりとした手足がきちんとした服を

纏い神経質そうな雰囲気が溢れている

そんな父を前にして

人形のような無表情で

海斗はたっていた

「この街にあの忌まわしい民族がいるという情報が入った!お前何か知らないか?」

「知りません」

「はっ、使えない奴だ。しばらくは私もここに居る。邪魔なことはするな」

「はい」

嫌な者を見るような目を海斗に向け

颯爽と部屋を出て行く父

無表情な海斗を

心配する星だが

星をすり抜け

海斗は

いつもの湖に急ぎ向かった
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