きみに想う 〜赤の民族〜
家に戻ると叔母が支度を終えていた

「雫!どこにいってたの?!
この街を明日の朝でるわ」

「うん」

いつも貴族から逃げ、転々として来た

叔母は母の妹で魔力はない

雫が両親を亡くしてからは

一緒にいてくれた大切な人

「ありがとう、叔母さん」

叔母の胸に抱きつき

雫も街を出る準備をして

早くに眠りについた

その夜

海斗に掛けた

加護の力が働いたのが分かった

何か海斗に危機があったんだ

前に雫が海斗に教えた通信の魔力が働き

雫の腕に文字が浮かび上がる


”イツモノバショニキテ''

雫は叔母の制止も聞かずに

家を飛び出し

あの湖へと向かった
< 16 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop