きみに想う 〜赤の民族〜
「海斗?」

夜の湖は恐ろしいほど

静かで

動物も木々たちも休んでいるのか

風ひとつない

湖近くに足を踏み入れると

ブワッと風が下から舞う

しまった!と思った瞬間

辺りから騎士たちが自分を狙っているのが

視界に入った

「雫ー!」

叔母の声だ

「叔母さんー来ないで」

騎士が叔母目掛けて

魔法を放った

雫は全力で叔母の方向に向けて

シードルを貼る

ギリギリで間に合ったようで

微かに魔法に当たった叔母は動かない

「叔母さん!」

駆け寄ろうとする雫に魔法がぶつかる
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