きみに想う 〜赤の民族〜
タヤル族の村


茶色掛かった赤い髪

肩より少し長いくらいの髪をなびかせ

体のラインが出るロング丈のチャイナ風の上着に

ゆるめラインのパンツを着ている女

が颯爽と歩いている

辺りが薄暗くなっても女らしいシュルエットが美しい

「ただいま」

「おかえり、雫ねぇちゃん」

赤い髪の女の子が雫に抱きつく

「長老さまは?」

「あっちの神の間にいるよ」

神の間と呼ばれる

村の中心部分に雫は足を踏み入れる

中に入ると

白い髪に赤が混じった珍しい髪を持ち

腰まである髪を垂らし

刺繍が施された

赤と黒の民族衣装を着た

長老が雫に背を向けたまま

声を掛けた

「雫か…」

「はい、今戻りました」



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