きみに想う 〜赤の民族〜
「我々は守ることを最優先とする
村の者たちにはわたしから明日話すとしよう」

「はい、長老さま」

雫は片膝を付き礼を取ると

髪の間を出て

先程の家へと戻った

暖かい食事が

机の上に並ぶ

いい匂いのそれらに手を伸ばす

「雫ねぇちゃん、長老さまと会ってきたの?」

「そうよ、報告する前に長老さまはわかってたけど」

食べながら話すと

小さな女の子の母親である

珠留(たまる)も会話に入ってきた

「雫、戻ってきたということは
しばらく村にいるのよね?」

「うん。珠留のご飯が毎日食べれるなんて幸せよね」

ニコっとそう笑うと

珠留の娘、凛子も嬉しそうに笑った

凛子の前だから

言わなかったけど

雫が村にいる理由が

狩りだと察した

珠留は

悲しそうな顔をしていた

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