きみに想う 〜赤の民族〜
念のためにフードを被り

騒がしい広場に行くと

赤い髪の小さな男の子を守るようにして

平民たちがと貴族が衝突しているところに

青い制服の騎士が平民の味方をしているようだ

「わたしの息子に何をするの?」

「その子はタヤル族だろう、タヤル族は忌まわしき民族、生かしておけない存在だ!」

「この子はタヤル族じゃない!間違えなく俺たちの子だ」

赤い髪の男の子の両親は

明るい茶色で、赤髪ではなく

それはタヤル族ではないことが分かる

疑わしい赤い髪というだけで

狩ろうとする貴族の間に入っているのが青の騎士のようだ

雫はイライラしていた

疑わしいというだけで、幼い命を

奪おうとする

その傲慢な考え、態度全てが

許せない

フードを脱ぎ捨てて前に出ようとしようとした瞬間

一歩先に

1人の男がブチ切れた
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