きみに想う 〜赤の民族〜
「最近、また過激になってきているのは
知ってるよね?
でも古参の貴族が”狩り”に執着してるだけで若い貴族は徐々に熱冷めていってるのが現状だ」

「確かに、下の階級のやつらには
反対…というか意味分からずに実行しているやつがいるみたいだ」

「若者たちが協力しないでも
年寄りだけでも”狩り”を続行しようとしている過激派が最近増えてきている
馬鹿だよね〜年寄りが何を出来るっていうのか」

さらっと毒を吐いて笑う、陸

笑い方が本気で怖い

「年を取ってる。つまり、対抗するのが不利と分かっていても闘うなんて
タヤル族に対して何があるのか、僕はそれが1番気になるね」

黙って聞いている海斗を陸は

じっと見つめる

「タヤル族の女が近々
王に直訴しに来るらしいよ」

「なに?本当なのか!!」

海斗は陸の襟元を乱暴に掴むと

海斗の手を払い退けるようにして

椅子を立ちがる陸

「何故この情報を兄さんに入れたのか!
今回のように暴れるだけじゃ済まなくなるだろうから事前に入れてるんだからね
これ以上、僕の仕事を増やすことしないよね?」

周りが一気に氷点下になるくらいの

冷気と冷たい目を

向けられた海斗は

大人しくするほかなかった







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