きみに想う 〜赤の民族〜
赤い髪は目立つため

全員帽子やフードで隠しながら

王都を歩いているが

さすが王都というだけあり

赤い髪のタヤル族は

忌み嫌われ者として知られていた

「あれじゃない?近々タヤル族が王都に来るって話しあったし」

「村で魔法の実験を行ってるんでしょー?」

「その為に人を殺してるって噂もね…」

街のあちこちで囁くような噂話しが持ちあがり

わざと聞こえるように話していることもあった

「久しぶりに堂々と悪口言われたかも」

呑気に呟く雫に

「人殺しの実験?誰がそんなことしてるってよ?」

呆れ顔の香那人

悪口を市民に浴びせられただけで

襲われるようなことはなく

無事に予定通りに王城へとたどり着いた
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