きみに想う 〜赤の民族〜
王の部屋まで

連れてきた人物がいつの間にか現れ

堂々と王に対し助言をする

「この城へ直接乗り込んできた人はこれまでいなかった。そんな彼らは優秀な人材に違いないでしょう
わたしの屋敷で監視の元、彼らの言葉通りにしばらくしてみるというのは、どうでしょう」

「陸のいうことも、一理ある
そちらが言うタヤル族に伝わる秘技をこの場で我の前で披露したら。我は認めよう」

王が初めて言葉を発した

雫たちに笑みがこぼれる

タヤル族の秘技が1番得意なのは

里菜と香那人

すっと前にでて王に対する礼をとった後

舞を舞うようにして独特なステップを踏み

呪文を唱えると

キラキラと舞うように雪が降る

雪の中にはウサギの姿がある

里菜の舞に合わせて

呪文を唱える香那人が造り出したのは

優雅に泳ぐ龍の姿

一般的に魔法は火、風、地、水と自然界に存在するものの力を利用してしか発動しない

タヤル族は

動物を魔力で形づくることができ

さらにその動物を自分の命で操ることが可能である

これにより

しばらくの王都滞在が決定しようとした

その瞬間

入り口の扉が勢いよく音を立てて開いた

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