きみに想う 〜赤の民族〜
陸は自分の屋敷に

タヤル族を連れ

男と女に部屋を与えた

明日からは城勤めになるという

男達と分かれ

雫と里菜は部屋で休むことにした

「雫ちゃん、あの乱入した男とどこ行ってきたの?」

「えっ?えっとぉ〜」

「カッコイイ人だったよね?知り合い?」

「うん」

「はっきり物を言う雫ちゃんが曖昧なんて怪しい〜」

雫は、はっきりと海斗のことを

里菜に言うのを躊躇った

海斗は貴族だから

貴族をよく思わない仲間に

昔からの知り合いだと言っても

いい顔はされないだろうと思ったから

里菜の話しの先は

すぐにそれた

「明日から城勤めだってね。わたしは香那人と一緒に研究機関、雫ちゃんは八神と一緒でしょ?」

「そう。この状況が敵の中という意識は忘れてはダメよね。」

ほとんど自分に言い聞かせるための言葉

明日からが

私たちが直訴しにきた

本番だと

気を引き締めて行こうと

雫と里菜は眠りについた
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