きみに想う 〜赤の民族〜
次の日から

香那人、里菜

八神、雫

に分かれて城で働き始めた

雫は主に城の女官のような仕事と

騎士に混じっての戦闘に対する魔法を

教えている

魔法による戦闘を主とするのは

白の部隊で所属するのが

貴族出身だが

若い者たちが多く

タヤル族に対する偏見が始めはあったが

今は受け入れており

雫を姐さんと呼ぶ輩も出ている

「姐さんどこ行ったのだろう?八神さん
知りませんか?」

「さっきからいないぞー」

「えー、一緒にお昼行こうと思ったのに」

くすっと八神は笑う

貴族に慕われる日が来るとはな

貴族は全て悪い者と思っていたが

最近では自分の中でも

貴族に対する偏見が減った気がしている

「姐さんー!」

「あいつ、素直でバカだな」

雫を探す若い男を見て八神は柔らかい顔で笑っていた



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