きみに想う 〜赤の民族〜
「雫?」

「海斗…わたしが怖い?」

雫はあの時の海斗の顔を思い出していた

自分を恐怖でみていた

海斗は雫を自分のほうへ引き寄せ

優しく抱きしめた

「オレは弱かった。あの時のオレは確かに恐怖を感じてた。でも雫は雫だ!オレはずっと逢いたかった」

海斗は雫を更に強く抱きしめた

「海斗に…会えて嬉しい
でも、わたしが側にいると今の幸せな海斗を過去に引き戻してしまうのではないかと怖い」

「オレが何の為に騎士に所属し
嫌でたまらない貴族との関わりの近いところにわざわざいるかわかるか?」

雫は首を横に振る

「雫を守るためだ!
だからオレから離れていくなよ!」

海斗の強い気持ちが雫に流れて混んでくる

海斗の腕からそっと離れる雫

「明日もここで待ってる!」

雫は何も答えずに温室を後にした
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