きみに想う 〜赤の民族〜
湖には色とりどりの花や

生き物たちがいっぱいある

雫お気に入りの場所で

1人になりたいときは

いつもここに来ていた

フードを目深に被り

湖を覗きこむと

自分の姿が写った

父にそっくりな自分の顔

「母さんに似れば、こんな思いしなくて
よかったのに…」

小鳥が肩に止まり

もう一匹が鳴きながら肩の鳥の周りを

飛び回る

クスっと雫が鳥に気を取られて

見ていると

ザァッと草木を分けるようにして

1人の少年が現れた
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