きみに想う 〜赤の民族〜
赤い長い髪を後ろに編んだ珠留の姿

守るようにして凛子を抱き抱え

逃げようとしているのを

見つけた

「珠留!」

「雫!」

珠留に駆け寄ろうとすると

間に矢が飛んできた

矢の方向を見ると

黒い髪の男の姿

矢を放とうとする男を正面から全力で止めているように見える

海斗?

だとしたら何故ここにいるの?

黒い髪を目で追いながらも雫は

走って珠留に寄った

「珠留!大丈夫?凛子も!」

「雫、頬に怪我があるわ」

無事に駆け寄ると

近くに潜んでいた貴族の

攻撃が飛んで来る

「ママ!」

間一髪で止めたのは珠留の腕に抱かれている

凛子の保護魔法

「凛子すごい!やるじゃない」

雫は凛子の頭を撫でる
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