きみに想う 〜赤の民族〜
残された陸と珠留
珠留は凛子を抱き上げる
「ごめんね」
凛子は抱き上げられままま
陸を掴む
「なんだよ、僕は何もしてない」
あの時、陸は
死の呪文から守ったつもりはない
ただ自分が巻き込まれる可能性があったから
結果として
このタヤル族の間に入り
助けたことになる
この子供が
テレパスで送ってきたのを
うまく受信しただけだ
ママヲタスケテ
この場にいるのは
仕事だから
タヤルの見方でもないし
貴族の見方でもない
「凛子?この子が大人に懐くなんてないのに」
抱いたままの我が子が
見ず知らずの男を掴んで放さないことに
不思議に思う珠留
「ありがと」
掠れた声で子供らしからぬ言葉に
大人びた表情の凛子
いつもなら気にも留めず
すぐに手を払う陸だが
払うにも払えない何かがあった
凛子の言葉に答えることなく
上着を翻し
また戦場へと駆け出した
珠留は凛子を抱き上げる
「ごめんね」
凛子は抱き上げられままま
陸を掴む
「なんだよ、僕は何もしてない」
あの時、陸は
死の呪文から守ったつもりはない
ただ自分が巻き込まれる可能性があったから
結果として
このタヤル族の間に入り
助けたことになる
この子供が
テレパスで送ってきたのを
うまく受信しただけだ
ママヲタスケテ
この場にいるのは
仕事だから
タヤルの見方でもないし
貴族の見方でもない
「凛子?この子が大人に懐くなんてないのに」
抱いたままの我が子が
見ず知らずの男を掴んで放さないことに
不思議に思う珠留
「ありがと」
掠れた声で子供らしからぬ言葉に
大人びた表情の凛子
いつもなら気にも留めず
すぐに手を払う陸だが
払うにも払えない何かがあった
凛子の言葉に答えることなく
上着を翻し
また戦場へと駆け出した