きみに想う 〜赤の民族〜
「お前、何か変なことしてんのか?
影と密会なんかして」

「何しに来たのさ。ここに騎士の仕事はないはずだけど?」

普段通りの陸の態度に海斗は

ほっとしていた

「これ、白髪の耳が遠い老人から預かった
俺を陸と間違えたらしい」

手紙を海斗から受け取る陸は

はっとした表情を一瞬浮かべ

受け取ると海斗の前から転移魔法で

姿を消した

「何だよアイツ、気になるだろ」

海斗はその日

嫌で堪らない実家へと向かった

陸の部屋では

大きな机に肘をつき

じっと一点を見つめる陸の姿がある

海斗の部屋内の侵入に

バチんと静電気のような電流を流す陸

「お節介は辞めてほしいんだけど」

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