きみに想う 〜赤の民族〜
電流をものともせずに

陸に近づき

バンと音を立て机に手を置く海斗

「何をするつもりだ?陸」

「別に、兄さんには関係ない
わざわざキライな家にまで来るなんて
馬鹿にも程がある」

「お前が何か企んでいることはわかる
俺にも何も言わないつもりだという事も
だが近々あると噂されている、タヤル族狩りの主謀者がお前という事はどういうことだ?」

「兄さんの頭には、タヤルのことしかないんだね。まぁいい事教えてあげる」

机から身を乗り出すようにして立ち上がり

冷徹とも見える笑みを浮かべて

海斗の襟元を掴む陸

「決戦は、数日後村で起こる」

ドンという鈍い痛みが陸の頬にはしる

海斗はぐーで思い切り

陸の顔を殴り

走って部屋を出て行く

陸は頬に手を当て

走り去った海斗の方向をみて笑う
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