恋する僕らのひみつ。
「毎日10分間、マッサージしろ」
「……はい?毎日?」
10分間もマッサージ……?
足裏から頭のてっぺんまで、あたしがグッタリするまで湊のマッサージをさせられる様子が、すぐに頭に浮かんだ。
悪魔にこき使われる召使いになれと。
それが条件……。
「嫌ならいいけど」
「……わかりました。やらせていただきます」
もう、どうなったっていい。
いまはただ、二階堂先輩への復讐に燃えるだけよ。
「本気かよ?ぜってぇ断ると思ったのに」
「湊も引き受けたからには、ちゃんと演じてよね?あたしにベ・タ・ボ・レな彼氏っ!設定守ってよ?」
「おまえも、よくそんな設定が思いつくよな」
湊は、ため息まじりにつぶやく。
「え?何か言った?」
「別に。明日から俺は、おまえの彼氏になればいいんだろ?」
「うん。お願いします」
「じゃ、話は終わりな?もう寝んぞ」
そう言って湊は、布団に横になって瞳を閉じる。
「湊」
「……あ?まだなんかあんのかよ?」
「一緒に寝てもいい?」