恋する僕らのひみつ。
あたしは湊の背中に、顔をピタッとつける。
「……ぐすっ……っ……」
「……また泣くのかよ?今日はおまえ、ホントによく泣くな」
「こんなつらい日に、ひとりじゃなくてよかったなって思って……」
声が震えた。
あたしの涙で、湊の服がじわりと濡れていく。
「湊がいてくれて、ホントによかった」
「……ったく」
湊の呆れたような小さな声が聞こえた。
湊の背中に顔をうずめていたら、
ふと、あの日の夜のことがよみがえってきたんだ。
「ねぇ……湊。覚えてる……?」
「何を……?」
「あの時のこと……」