恋する僕らのひみつ。
「結雨ー?」
部屋の向こうでお母さんの声が聞こえたと同時に、この部屋のドアをノックする音が聞こえた。
――コンコン。
あたしの心臓が、ドクンっと大きく跳ね上がる。
「湊くん?もう起きてるかしら?」
「あー、はい」
湊は、布団の中にいるあたしをいっそう強く抱き締めて、返事をする。
ホントに……息できない。
どうか、どうか。
お母さんに見つかりませんように。
――ガチャ……。
お母さんが部屋のドアを開けたみたい。
「湊くん、おはよう。まだ布団に横になってたのね」
ドキドキドキ……。心臓の音が速くなる。
「いま起きたんで」