恋する僕らのひみつ。
「あのね、結雨が部屋にいないのよ」
お願い……見つかりませんように。
あたしは布団の中で祈り続ける。
「あー、結雨なら朝早くにランニング行くって昨日の夜、俺に言ってた気が……」
「あら、本当?珍しいわね。結雨ったらダイエットでもするつもりなのかしら」
「まー、続かねぇと思うけど」
「ふふっ。そうね。私もう仕事に行かなくちゃいけないから、結雨が帰ってきたら、一緒に朝ごはん食べてね?」
「はい」
「じゃあ、いってくるわね~」
「いってらっしゃい」
湊が答えると、バタンと部屋のドアが閉まった音が聞こえた。
……セーフ。
よかったぁ。
なんとか無事、お母さんに見つからずに済んだみたい。