恋する僕らのひみつ。



あたしは湊の腕の中でおとなしく抱き締められる。



“妬かせたいんだろ?”



……妬かせたい。



あたしの復讐のゴールは、



二階堂先輩に、本気であたしを好きだと言わせて振ること。



あのとき……保健室で先輩が浮気してるとこを見たあと、



先輩が追いかけてきて、あたしを強く抱きしめたとき。



“先輩……あたしのこと嫌いになったんですか?”



あたしの言葉に、先輩はためらうことなく言った。



“好きだよ”



その言葉が、ウソか本当か。



先輩の本当の気持ちなんて、確かめようもない。



だけどもし、あのときの言葉が本当だったなら。



浮気してても、ほんの少しでもあたしを好きだったなら。



湊の彼女になったあたしを、平気な瞳で見たりしないで。



先輩が妬いてくれなきゃ、あたしの復讐は……。



ブレスレットを渡されて、そしてキスまでされそうになって。



惑わされて弱気になってる場合じゃない。



あたしはこれから、絶対に二階堂先輩を振り向かせてみせる。



「湊……」



「ん?」
< 213 / 888 >

この作品をシェア

pagetop