恋する僕らのひみつ。
あたしは湊の腕の中でおとなしく抱き締められる。
“妬かせたいんだろ?”
……妬かせたい。
あたしの復讐のゴールは、
二階堂先輩に、本気であたしを好きだと言わせて振ること。
あのとき……保健室で先輩が浮気してるとこを見たあと、
先輩が追いかけてきて、あたしを強く抱きしめたとき。
“先輩……あたしのこと嫌いになったんですか?”
あたしの言葉に、先輩はためらうことなく言った。
“好きだよ”
その言葉が、ウソか本当か。
先輩の本当の気持ちなんて、確かめようもない。
だけどもし、あのときの言葉が本当だったなら。
浮気してても、ほんの少しでもあたしを好きだったなら。
湊の彼女になったあたしを、平気な瞳で見たりしないで。
先輩が妬いてくれなきゃ、あたしの復讐は……。
ブレスレットを渡されて、そしてキスまでされそうになって。
惑わされて弱気になってる場合じゃない。
あたしはこれから、絶対に二階堂先輩を振り向かせてみせる。
「湊……」
「ん?」