恋する僕らのひみつ。


「ふぁぁ~……ねむ」



さっきから、あくびが止まらない湊。



「昨日、寝れなかったの?」



「寝たけど」



アンタの趣味は、バスケと寝ることだもんね。



「こうして朝、湊と一緒に学校へ行くなんて、いつぶりだっけ?」



「さぁ、知らね」



幼い頃からマンションで隣同士だけど、特に学校へ一緒に行く約束をすることはしなかった。



小学校の頃は登校班が同じだったし、近所に住む子たちと一緒に登下校をしていたけど、



中学の頃の湊は、バスケ部の朝練とかで早く学校に行ってたし。



高校に入ってからは、道で偶然会えば一緒に行くこともあったけど、指で数える程度。



だからこうして家から一緒に学校に行くのって、どこかヘンな気分。



「おまえさぁ……」



湊はあたしの顔を見つめる。



「え?なに?」
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