恋する僕らのひみつ。

「……背ぇ縮んだ?」



「んなわけあるかいっ」



縮んでない。

けど、中1のときから1センチも伸びていないのは確か。



「158センチですけど。縮んでませんけど。1ミリたりとも縮んでませんけども」



「……いや別に。縮んだような気がしたから聞いただけだし。俺が背ぇ伸びたのかも」



「湊だって昔はチビだったくせにっ」



自分が大きくなったからって、えらそうに。



「そういえばおまえ……俺のことチビって呼んでたな」



湊は目を細めて、あたしを睨みつける。



「思い出すだけで、クソ腹立つ」



「よかったわね~。身長174センチになれて」



「175センチだっつーの」



「1センチもウソつくとか、やめなさいよ!みっともないから」



「うっせーよ、バカ」



いつものように湊と言い争っていると、



ブレザーのポケットに入っているケータイが鳴った。
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