恋する僕らのひみつ。



「うるさいなぁ!彼氏からのメールで、ほっこり気分だったのにぶち壊さないでくれる?」



そう口を尖らせながら言うあたしは、目を細めて湊の顔を見る。



「ふーん。彼氏ねぇ」



「湊の部活の先輩でしょーが」



「俺、アイツのこと嫌いだし」



しれっとした顔で言う湊。



あたしは湊の腕を思いっきり殴る。



「イッて……ふざけんなよ」



「部活の先輩に向かって“アイツ”呼ばわりすんの、やめなさいよっ」



「本気で殴りやがって……バカぢからが」



なんでそんなに湊は二階堂先輩を嫌うんだろう。



部活で何かあったのかな。



湊みたいな憎たらしい後輩がいて、いくら優しい二階堂先輩でもさすがに呆れてるだろうな。



「湊はさぁ、二階堂先輩のどこが嫌いなわけ?」



「どこが……?うーん、全部」



「あーそうね。はいはい。二度と聞きませんよーだっ」



別に湊が二階堂先輩を嫌いでも、どうだっていいし。



先輩の良さは、あたしがいちばんわかってるんだから。
< 47 / 888 >

この作品をシェア

pagetop