恋する僕らのひみつ。
「うるさいなぁ!彼氏からのメールで、ほっこり気分だったのにぶち壊さないでくれる?」
そう口を尖らせながら言うあたしは、目を細めて湊の顔を見る。
「ふーん。彼氏ねぇ」
「湊の部活の先輩でしょーが」
「俺、アイツのこと嫌いだし」
しれっとした顔で言う湊。
あたしは湊の腕を思いっきり殴る。
「イッて……ふざけんなよ」
「部活の先輩に向かって“アイツ”呼ばわりすんの、やめなさいよっ」
「本気で殴りやがって……バカぢからが」
なんでそんなに湊は二階堂先輩を嫌うんだろう。
部活で何かあったのかな。
湊みたいな憎たらしい後輩がいて、いくら優しい二階堂先輩でもさすがに呆れてるだろうな。
「湊はさぁ、二階堂先輩のどこが嫌いなわけ?」
「どこが……?うーん、全部」
「あーそうね。はいはい。二度と聞きませんよーだっ」
別に湊が二階堂先輩を嫌いでも、どうだっていいし。
先輩の良さは、あたしがいちばんわかってるんだから。