恋する僕らのひみつ。
体育館で始業式が行われたあと、生徒たちは各自新しい教室へと向かった。
クラス替えの結果、あたしは2年3組。
「また結雨と同じクラスかよ」
廊下を歩きながら、湊がボソッとつぶやいた。
立ち止まったあたしは、大きなため息をこぼす。
「ずいぶん嫌そうに言ってるけど、あたしだって別に湊と同じクラスで喜んじゃいないからね?」
あたしの言葉を無視した湊は、ひとりで先に歩いていってしまう。
「……ったく、もぉっ」
かったるそうな湊の歩き方。
あたしは湊の後ろ姿を見つめる。
「ちょっと!教室同じなんだから一緒に行こぉよ」
あたしの声聞こえてるはずなのに、湊は無視だ。
「むぅーっ」
後ろから思いっきり飛び蹴りしたい。