恋する僕らのひみつ。


教室に入ると、クラスメートたちは出席番号順に席に座っている様子だった。



始業式の前に配られた、新2年生のクラスと出席番号順に書かれた名前のプリント用紙。



手に持っていたその紙を見ながら、あたしも廊下側の前から2番目の席につく。



“2年3組 2番  一色 結雨”



当然、あたしの前の席には。



“2年3組 1番  朝霧 湊”



憎たらしい湊が座っている。



席についたあたしは、湊の後ろ姿を見てニヤリとした。



「ねぇ、湊。背中に毛虫ついてる……」



湊は、すっごく嫌そうな顔で、あたしのほうに振り向いた。
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