恋する僕らのひみつ。



「はぁ?毛虫?取れよ」



「毛虫だよぉ、怖い怖い」



……って、ウソだけど。

毛虫なんてついてないよ。



さっきのお返しだもんねーだ。



「取れって」



「やだよ。毛虫なんて触れないし~」



「早く取れよ、バカ」



「毛虫なんかに刺されたら痛そぉ~。あ~大変、大変っ」



湊はペンケースからシャーペンを取り出し、自分の背中を必死に突っついている。



「俺が病院送りになったら、おまえのせいだかんな」



「大げさっ」



「どこだよ?見えねぇ、クソ」



湊の必死な様子に、あたしは笑いをこらえきれない。



「ふふっ。引っかかってやんのー」



「……おまえ、まじでぶっとばす」



「湊から始めたんでしょーが」



湊とあたしがいつもの調子で言い争っていると、



教室に話しながら入ってきたのは、



ふたりの男の子と、ひとりの女の子の……仲がよさそうな3人組。
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