恋する僕らのひみつ。
「俺は……親父の人生だから好きにすればいいと思ってる」
それが、湊の答えなの……?
あたしはショックだった。
「もういい……」
裏切られたような気分だった。
「……ひとりにして」
小さな声で言ったあたしは、湊に背を向ける。
抱えた膝に、顔をうずめた。
どうして湊まで、そんなこと言うの……?
「結雨」
「もう話したくない……」
湊はあたしの味方だと思ってたのに。
「帰ってよ」
もう頭も心も、ぐちゃぐちゃ……。
「結雨」
こんなこと言ったら、湊を傷つけるってわかってるはずなのに。
絶対に言っちゃいけない言葉なのに。
「……いらない」
止められない。
「あたしの味方じゃないなら、湊なんかいらないっ」
涙が止まらなかった。
「……っ」
湊はそのままなにも言わずに、あたしを置いてトンネルから出ていった。