恋する僕らのひみつ。



服のポケットに入っていたケータイを見ると、奈乃からの着信があった。



今夜は家に帰らないで、奈乃の家に泊まらせてもらおう。



あたしは両手で涙を拭い、トンネルの中から外に出る。



空を見上げると、星のひとつも見えない夜空が、余計に心を寂しくさせた。



「ふぅ……っ」



夜空に向かって大きく息を吐きだすと、



後ろから声が聞こえた。



「……やっと出てきたか」
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