恋する僕らのひみつ。



「結雨?」



こんなふうに、お母さんを無視することなんて、



生まれて初めてだった。



湊のお父さんと再婚だなんて、絶対にイヤ。



あたしの気持ちが変わることはない……そうお母さんにわかってもらうまでは、



こんな態度に出るしかなかった。



「……ちゃんと、朝ご飯食べてから、学校に行きなさいね」



その言葉から、



お母さんはあたしがすでに起きていることに、気づいているんだとわかった。



あたしは布団をかぶったまま、お母さんが部屋のドアを閉めるのを待つ。



部屋のドアが閉まると、少ししてお母さんが玄関から出ていく音が聞こえた。



「……ふぅ」



あたしは布団をめくり、ベッドから起き上がる。



こうして反抗することくらいしか、思いつかなかった。



お母さんに冷たくするなんて、ホントは……



ホントはしたくないのに。
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