恋する僕らのひみつ。
ベランダに遊びに来ている小鳥の声しか聞こえないほど静かなリビングで、
あたしはひとり朝食を食べた。
いまは、家の中でお母さんがいるときよりも、
ひとりでいるときのほうが、気持ちがラクだった。
静かな部屋の中でボーッとしていたら、
時計が目に入った。
「やばっ!もうこんな時間じゃんっ」
制服に着替えたあたしは、学校のカバンを持って、
急いで玄関を出ていく。
「おはよっ」
隣の602号室のドアに寄りかかっている湊が、
大きなあくびをしながら、あたしを待っていた。