恋する僕らのひみつ。
前みたいに、
お互いの部屋を、いつでも行き来できるような状況じゃない。
夜、寂しくなっても。
湊に、逢いたくなっても。
我慢するしかなかった。
湊が朝、あたしの部屋に起こしに来てくれることも。
あたしが湊の部屋に起こしに行くことも。
親の前では、気まずくてできなかった。
「ねぇ、湊」
湊は立ち止まって、後ろにいるあたしを見た。
あたしはうつむき、自分の足元を見つめる。
「どした?」