恋する僕らのひみつ。
「……ううん、何でもない」
いま、湊と一緒に過ごす時間は、
朝学校に行くときと、教室にいるときだけ。
同じマンションで、隣の部屋に住んでいるのに、
なんだか……前よりもずっと、遠くに感じた。
「おばさんとは、話してんの?」
あたしは、首を横に小さく振る。
「おまえらしくねぇと思うよ?おばさんに冷たくするなんて」
「だって……」
あたしがこんなに反対してるのに、
お母さんは、湊のお父さんと再婚する意志を変えない気でいる。
それが悲しかった。
すごく、すごく悲しかった。
「……っ」
あたしは、湊にぎゅっとしがみつく。
「……ったく」
湊は、あたしの頭を優しくなでてくれた。
このまま……湊にずっと、くっついていたい。
離れたくない。
胸が……痛いよ……。
「今日……ふたりで学校サボるか?」