恋する僕らのひみつ。



琥都がきくと、快はいつもみたいに明るく話す。



「いや、べつに……戻るつもりないから断ってんだけどさ~。しつこくて。もぉ~いやんなっちゃうわ~」



なんか……快がヘンだ。



なんだろう、この感じ。



「ピッチャー、ケガしたんだろ?」



湊が言うと、快はクリームパンの袋を破り、パンにかじりつく。



「うんまっ。まぁ、ピッチャーなら後輩にもいるしさっ」



そう言って快は、クリームパンを口いっぱいに頬張る。



「そんで、さっきのドラマの話だけどさぁ」



話題を変えようとしている快に気づきながらも、琥都は言った。



「出ろよ。高3の夏が最後の大会なんだから」
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