恋する僕らのひみつ。


「あ!そういえば、出席とってなかったな」



忘れてたんかーい。



朝のHRでいちばん大事なやつじゃん。



「あ、それからな。先生はみんなのことを親しみを込めて、下の名前で呼ぼうと思う。反対の人は手を挙げてー?よし、いないな」




いや、反対も何も。

展開が早すぎて、みんなついていけてないだけだと思う。



先生は教卓の上の出席簿を手に取った。



「では、出席とるぞ。朝霧湊」



湊は返事をしない。



「あらあら湊ちゃん?返事しないと欠席にしちゃうわよ?」



そう言って目を大きく開けてパチパチと瞬きする先生に、



湊は机に頬杖をついたまま、かったるそうに返事をする。



「……はい」



「はい、湊ちゃん欠席ね」



「おい、返事しただろーが」



「あらま、聞こえなかったけど?」



「……うっざ」



ため息をつく湊に、ニッコリと笑いかける先生。
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