恋する僕らのひみつ。
ドアが閉まり、
ゆっくりと電車が動き出す中、手を振る君。
だんだんとスピードを上げていく電車を、俺は追いかけて走っていく。
「四葉っ」
俺が叫ぶと、彼女の口が動いた。
“がんばれ”
「四葉もがんばれっ」
俺もがんばるから。
がんばるからな。
俺はホームの端に立ちつくし、遠くに消えていく電車を見つめる。
2年前、
あの日から止まったままだった俺の時間。
俺も、少しずつ歩き出さなきゃいけない。
背中を押してくれた四葉のためにも。