恋する僕らのひみつ。



――――――――……



まだ5月だというのに、連休明けから晴れて暑い日が何日も続いている。



放課後、あたしは湊とふたりで学校の資料室にいた。



「せっかく部活休みだっつーのに」



湊は、ふてくされた声で言いながら、



本棚の前に立って大学の資料を読んでいるあたしを、後ろから抱きしめた。



「ちょっと、湊っ……誰か来たらどぉすんの?」



「誰も来ねぇよ」



資料を読みたいのに、湊が抱きしめたまま離してくれないから、



ドキドキして、文字を見ても全く頭に入ってこない。
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