恋する僕らのひみつ。

湊は口を塞ぐあたしの手を退けた。



「……おまえの声のほうが100倍でかいけどな」



誰にも聞かれてないよね……?



あたしはキョロキョロと周りを見る。



「湊、結雨、じゃーなーっ」



後ろから聞こえた声に、体がビクッとなる。



振り返ると、快が笑顔で手を振っている。



「あ、バイバーイ」



いまの……快に聞かれてないよね?



「湊くん、結雨ちゃん、また明日ね」



そう言って奈乃は琥都と手をつないで、あたしたちの横を通り過ぎていく。



「あはっ……また明日~」



あたしはふたりに向かって笑顔で手を振った。



奈乃と琥都、今日もラブラブだぁ。



「はぁー。気をつけてよね?湊のバカっ!」



「だから、おまえの声のほうが100倍でけぇから」
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