恋する僕らのひみつ。

湊ってば……感じワルっ。



二階堂先輩が嫌いだからって、あんな露骨に態度に出すなんて。



このあと部活で先輩と一緒なのに、挨拶もしないなんて……。



一体どういう神経してんだろ。



「朝霧は、俺のことが嫌いみたいだね」



そう言って二階堂先輩は、湊の席に座ってあたしのほうを向いて微笑む。



「もぉーホントにごめんなさいっ。後輩のくせに、あんな態度……。湊の幼なじみとして、あたしが変わりに謝ります」



「結雨が謝ることないよ。俺は朝霧みたいな生意気なやつ、別に嫌いじゃないし」



「先輩……」



先輩ってば、なんて優しくて心が広いんでしょう。



それに比べて、湊のやつは……。



イライラするわ、まったく。
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