恋する僕らのひみつ。



二階堂先輩が、じっとあたしの瞳を見つめる。



そんなに見つめられたら、どうしていいやら……。



二階堂先輩の手が伸びてきて、あたしの頬にそっと触れた。



ちょ、ちょ、ちょ……

ここ、教室ですけどぉー!



ドキドキしすぎて心臓が破裂しそう。



「せ、先輩は部活に行かなくていいんですか?」



「行くよ?部活前に結雨の顔見たくて来ただけ」



ニコッと笑顔を見せる先輩に、あたしの頬は熱を帯びてく。



「……先輩……そんなこと言われたら照れます……」



「結雨」



「はい」



「……その顔、可愛いすぎだから」



そう言って二階堂先輩は、あたしの髪をくしゃっと撫でた。



ヤバい……ドキドキしすぎて倒れるかも。



可愛すぎ……可愛すぎ……。



先輩の言葉が頭の中で何度も繰り返される。



「んじゃ、部活行くよ」



そう言って先輩は、イスから立ち上がった。



なんでだろう。



一緒にいるとドキドキして大変なのに。



もう行っちゃうと思うと、途端に寂しくなる。



もう少し一緒にいたいって思っちゃう。



でも、そんなワガママ言えないよ……。
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