恋する僕らのひみつ。



「結雨」



「は、はいっ」



「部活のあと、会おっか。結雨が待ってるの嫌じゃなければ」



ウソ……!やった……。



「全然大丈夫ですっ!」



「ホント?どっかで時間つぶしてる?」



「はい。えっと……駅ビルで服とか本とか見てるので、部活終わったら連絡ください」



やった。うれしい。



なんて幸せな日なんだろう。



「わかった。じゃあ部活のあとで」



先輩は、柔らかな笑顔を見せた。



「はいっ」



お互いに手を振って、先輩は教室を出て行った。



先輩の姿が見えなくなったあと、あたしは机の上に突っ伏す。



「はぁーっ……」



まだ胸のドキドキがおさまらない。



「可愛いって言われちゃった……あ~もぉ恥ずかし」



先輩と付き合って、もうすぐ2ヶ月。



いつも優しい先輩。



こっちが恥ずかしくなるくらい、うれしい言葉もたくさん言ってくれる。



だからドキドキが止まらなくて、あたしの心臓はいつも忙しい。



このままいけば、きっと。



先輩となら……きっと。



そのうち、あたしのあの“問題”も乗り越えられるはずだよね……?
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