恋する僕らのひみつ。
「最後に会ったとき、四葉に前を向けって言われたんだ」
そう言って快は、俺の背中を優しくたたいた。
「琥都、俺たち……つらい過去は手放そう。過去の大切なものだけ覚えていけばいい」
快の言葉の中に、遠くにいる四葉の想いも感じた。
中学の頃、本当に俺はどうしようもなかった。
ケンカばかりしていたせいで、学校では誰もが俺を避けていた。
そんな俺に話しかけてくれたのも、快と四葉だけだった。
大切なふたりだった。
「……本当にごめん……ごめんな、快……」
「もう自分のこと責めんな」
「俺、四葉に謝りにいく……そのときは、快も一緒に行くか……?」