恋する僕らのひみつ。
―――――――……
夜の11時を過ぎたところだった。
俺はジュースの入ったペットボトルを片手に、自分の部屋からベランダに出る。
涼しい夜風を感じながら、俺はベランダの手すりにもたれかかった。
すると、マンションの前の道を歩いている結雨の姿を見つける。
「あのバカ……っ」
俺は慌てて部屋に戻り、ペットボトルを布団の上に放り投げて、部屋着のまま家を飛び出した。
エレベーターを待たずに、俺は急いで階段を下りていく。
あいつ……自分が女だってこと忘れてんのか?
こんな夜にひとりで外に行くなんて……。
隣に住んでんのに、なんで俺を呼ばないんだよ。
マンションの下におりた俺は、前の道をゆっくり歩いている結雨に向かって叫んだ。
「結雨っ」
俺の声に、結雨は立ち止まった。