恋する僕らのひみつ。
振り返った結雨のところに走っていく俺は、そのまま結雨を抱きしめた。
「バカなの?おまえ」
結雨を強くぎゅっと抱きしめる。
「……湊……どぉして」
俺の胸もとに顔を押し付けたまま、結雨は小さな声で言った。
「こんな時間にひとりでどこ行くんだよ?襲われたらどーすんだバカ」
心配させんなよ……。
結雨は俺の背中に手をまわすと、俺の服をつかんだ。
「湊……」
「ん?」
「これからどっか行かない?」
俺がそっと結雨を離すと、結雨はすぐにうつむく。
結雨の小さな頭をなでたあと、俺はその場にしゃがみこんで下から結雨の顔を見上げた。
「なにかあったのか?ん?」
俺は結雨の手をとり、優しく握りしめる。
結雨は唇をかみしめて、いまにも泣きそうな顔をしていた。
「湊……朝まで一緒にいて……?」