恋する僕らのひみつ。



「また……おばさんとケンカしたのか?」



結雨は小さくうなずく。



「……ひどい言葉も、いっぱい言っちゃった」



声を震わせる結雨は、泣きそうになるのをこらえながら、ゆっくりと話す。



「お母さんがあたしの気持ち、わかってくれないからなのに……あたしは悪くないって思うのに……なのにどうして、こんなに罪悪感……」



「結雨は優しいからな」



俺は結雨の手をにぎったまま微笑む。



「おまえは人の気持ちをいちばんに考えるやつだから、自分の気持ちを優先することにつらく感じるんだろ?」



「……お母さん……もう待てないって」
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