恋する僕らのひみつ。
「だから雨の中ひとりで歩いてたのか?傘もささないで……ったく」
「……湊だって傘ないじゃん」
「おまえ見つけんのに、それどころじゃねーよ」
ふたりして、ずぶ濡れだね。
ごめんね、心配かけて。
傘もささずに、必死に。
あたしをさがしてくれて、ありがとう。
「泣き虫」
「……っ、泣いてないよ」
「……おまえ、おばさんの前で泣きたくなくて病室に来なかったのか?」
なんで……?
なんで全部わかっちゃうの……?
だからどんなにムリして強がっても、結局ダメで。
湊の前では弱くなっちゃうんだよ。
「今日だけ……。思いっきり泣いたら、もう泣かないから……」
お母さんの前では笑っていたいから。
悲しい顔ばかり、泣いてる姿ばかり見せたくない。
「そんなに頑張んなよ」