鬼課長の憂鬱
職場に戻ると、すぐに課員を集めた。ちなみに俺はシステム2課の課長をしている。2課は主に出版関連のシステム開発を担当する部署で、俺を入れて社員は8名。ただしパートナーさんが同数以上いて、合わせれば20名弱程の部署だ。
俺は課員達に、明日、新人が配属される事を手短に告げた。当然ながら、急な話でみな驚いたようだ。それと、新人が障害者である事にも。
「課長」
「何だ、小島」
小島は中堅の社員で、歳は30を少し過ぎたところか。SEとしてのスキルはあるが、女癖が悪いとの噂もあり、ヘラヘラしたところがあり好きになれない男だ。もっとも、俺には好きな部下なんて一人もいないのだが。
「新人の名前は何ていうんですか?」
「ああ、そうだな。名前は……」
俺とした事がうっかりした。履歴書に目を落とし、俺は初めてその氏名を見た。
「高宮詩織だ」
「ひょー。女ですか。歳はいくつですか?」
「歳は関係ないだろ」
「関係ありますよ。コミュニケーション取りにくいじゃないすか」
チッ。なんだその口の聞き方は。俺を舐めてんのか?
「32だ」
「なんだあ、俺と同い年か。もうちょっと若かったら良かったのになあ」
「私語は慎め。席は、そうだなあ、玉田の隣は空いてるな?」
「は、はい」
「ではそこにしよう。教育係もおまえでいいか?」
新人には必ず教育係を1人付けるようにしている。玉田はうちの課で一番若く、入社してまだ2年だが教育係ぐらいはできるだろう。本人のスキルアップにもなるし。
「え、僕ですか?」
「そうだ。自信ないのか?」
「ん……どうでしょうか……」
「バカ野郎!」
俺は課員達に、明日、新人が配属される事を手短に告げた。当然ながら、急な話でみな驚いたようだ。それと、新人が障害者である事にも。
「課長」
「何だ、小島」
小島は中堅の社員で、歳は30を少し過ぎたところか。SEとしてのスキルはあるが、女癖が悪いとの噂もあり、ヘラヘラしたところがあり好きになれない男だ。もっとも、俺には好きな部下なんて一人もいないのだが。
「新人の名前は何ていうんですか?」
「ああ、そうだな。名前は……」
俺とした事がうっかりした。履歴書に目を落とし、俺は初めてその氏名を見た。
「高宮詩織だ」
「ひょー。女ですか。歳はいくつですか?」
「歳は関係ないだろ」
「関係ありますよ。コミュニケーション取りにくいじゃないすか」
チッ。なんだその口の聞き方は。俺を舐めてんのか?
「32だ」
「なんだあ、俺と同い年か。もうちょっと若かったら良かったのになあ」
「私語は慎め。席は、そうだなあ、玉田の隣は空いてるな?」
「は、はい」
「ではそこにしよう。教育係もおまえでいいか?」
新人には必ず教育係を1人付けるようにしている。玉田はうちの課で一番若く、入社してまだ2年だが教育係ぐらいはできるだろう。本人のスキルアップにもなるし。
「え、僕ですか?」
「そうだ。自信ないのか?」
「ん……どうでしょうか……」
「バカ野郎!」