静かな涙




「………………たかちゃん、向こうに住むお家は決まった?」

「…うん。」


たかちゃんは、3月から東京の大学へ進学する。私はこっちの実家の方に残るのでたかちゃんとは遠距離恋愛となる。
今日は遠距離前の最後のデートとなる。


「たかちゃん、お料理苦手って言ってたからクックッパッドも今度渡すね」

「うん。」


「…たかちゃん、今日、たのしかった?」

「…すげぇ楽しかった。」

たかちゃんが私の頭を撫でてくれる
私のたかちゃんへの質問は止まらない


「向こうの大学、楽しそうだった?」

「友達できそう?」

「可愛い女の子いた?」

「こっからそこまでどれくらい?」

たくさん、たくさん、質問した
たかちゃんは全部に応えてくれた  

そして最後に


「たかちゃん、遠距離でも私達は一緒だよね?」

と聞いた

「お前がそれが耐えられなくなっても俺がそれを止めてやる」

そう言ってくれた。
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